2021/09/14 17:00



自然に佇む存在

流れるように身にまとう


息をして

歩を進めるように


暮らしの中の景色に

溶け込むようなデザイン


素材・機能・美しさ

それらを平等に捉え

丁寧な手仕事を惜しまない


そんなバッグやアクセサリーを

私たちに届けてくれるのが

ke shi kiというブランドです。




ke shi kiのデザイナー細川さんと

出会ったのはFREEPARKが自由が丘に

オープンした頃でした。


ciitoの丹生さんと一緒に

ご来店してくださりました。


もしかしたら緊張されていたのかも

しれませんが、物静かで優しい表情の

素敵な女性だと感じたのを覚えています。


はじめはデザイナーさんだとは知らず、

細川さんが持っていたバッグが

とても魅力的だったので、

「お持ちのバッグ素敵ですね!」

と、つい言ってしまいしたw


それをきっかけにブランドのことを伺い、

ke shi kiの良さに魅了されていきました。


細川さんの第一印象とは逆に

作品は幾何学的なデザインが多く、

カチっとしたシャープな作品だったので、

そのギャップにハマったのかもしれません。


より深くke shi kiを知りたくなり、

インタビューをさせていただきました。

きっとke shi kiを好きになって頂けると

思いますので、是非お読みくださいませ。






まず最初に

『ke shi ki』をはじめたきっかけを

伺いました。


ブランドをはじめるということは

「一駅分歩こう」というような簡単な

ことではなく、何か思い描いていることが

あったのではないかと思ったからです。


そして、始める前と後では感じることは

違ってくると思うので、その辺りのことも

伺ってみました。



「バッグや革のデザインとは前職で出会いました。

 当時は都内のインテリア会社で企画デザインを手がけ、

 バッグなどの服飾雑貨を扱うこともありました。

 そこでレザーバッグのデザインに興味を持ち、

 個人的に製法を学ぶようになりました。

 自分の手で作り進めるうちに、携わってきた

 量産の現場とは異なるクラフトに心惹かれるようになりました。


 ブランド名を決めてからは、

 ロゴを作ってくださるデザイナーさんに出会えたり、

 フォトグラファーの夫がバッグの写真を撮ってくれたりと、

 周りの方のご尽力もありke shi kiが生まれました。


 いざ始めると、経験のなかった販路探しや接客、経営は手探りで、

 デザイン・制作だけでは力不足なことばかりです。 

 続けていくために、学びながら不器用に進んでいます。」



インテリアの会社の社員として

企画デザインをしていく中で、

手仕事に興味が湧いてきたと聞き、

もともと手先が器用で

モノづくりが好きなんだろうなぁ

と感じました。


そして、たくさんの方に支えられる

人柄の良さも納得です。


でも最後に「不器用に進んでいます」と

言うとこに、またもやギャップがあり、

ke shi kiの深みに入っていきます。


そこで、『ke shi ki(ケシキ)』という

ブランド名の由来を伺ってみました。


個人的に表記にスペースを使っている

ところにも興味がありました。



「身に付けているときも置いているときも、

 バッグを日々の景色の一部と捉えデザインすることから

 「ke shi ki」というブランド名にしました。

 家具やプロダクトのように、身につけるものも

 一貫して空間に置かれている佇まいを思い描きます。

 「景色」は、私にとってデザインする上で大切な視点です。


 表記のスペースは、ロゴをデザインしてくださった

 デザインオフィスイドさん(id-inc.jp)から

 ご提案いただきました。

 音節ごとにスペースが空いていることで読みやすく、

 余白のあるデザインがシンプルなブランドイメージに

 合うと感じております。」



細川さんのデザインの重要なテーマ、

それが「景色」であることが

とても伝わってきました。


存在するためには必要不可欠な「景色」。

それを『ke shi ki』というブランド名に

することで芯をブラさないという

覚悟のようなものが感じられました。


そして、スペースの表記が

余白=景色の中の空間のようだと

イメージがつながり合点しました。





次に『ke shi ki』をはじめるために

学んだというレザーバッグの製法について

伺ってみました。


ブランドのベースとなる時期であり、

修業とも言えるときのお話には

とても興味がありました。



「オーダーメイドのバッグを作る職人さんから

 製法を学びました。量産を前提とした作りとは少し異なり、

 1点物を作るための手数をかけたバッグを作るお店の方でした。

 お客様の様々なオーダーに答えてきたため、

 作りから素材まで柔軟にノウハウを蓄積されていました。

 一般的にあまりない作りのものも、

 実験的に試してみる姿勢を学べ、恵まれた環境でした。


 それまでデザインが主だった身としては、

 作りまで一貫して考えるようになり、

 思い描いた佇まいを実現する精度があがりました。

 また、この時教えてくださった熟練の職人さんに、

 その後ke shi ki製品の制作を依頼できる関係性が

 できたことはとても大きかったです。」



大量生産とは真逆の職人さんから

直に製法を伝授して頂けたのは

とても有意義なことだったと思います。


この時期にデザインの視野が広がり、

『ke shi ki』の原点が誕生しました。


「ke shi kiは

 デザイナー自らの手で試作と実験を

 繰り返すことで生まれる、

 クラフトとデザイン、両方を

 追求した作品を目指しています。

 また、素材、機能、美しさ、

 どれもが同じ重要性を持っていると捉え、

 デザインだけでなく、「工芸」としての

 手仕事を尊重しています。

 こうした観点から、ke shi kiは

 自らのものづくりをCrafting Designと

 位置付けています」


と言う細川さんの言葉に表れています。


さらに修業後に革職人とデザイナーという

関係がつながっていくのは素晴らしいことだと、

細川さんのブランドに対する向き合い方が

そうさせたんだと心から感心しました。





モノづくりのベースができ、

『ke shi ki』の活動は2016年からスタート。


改めてデザインや製造のこだわりについて

伺いました。



「日々の景色に溶け込むためには、

 素材、機能、美しさの観点が、

 どれも同じくらい大切だと考えています。

 新商品ができるまでは、使用感とデザインの間で

 キャッチボールをしているイメージです。

 試作や型紙の修正を重ねます。

 素材の検討によって解決することや、

 実際にしばらく使うことで気づくこともたくさんあります。

 最終的には、手数が表から見えない、

 静かな佇まいに収まることを目指しています。

 製品を使っていただく方の生活に、

 自然と長く寄り添えたら嬉しいです。」



デザインだけではなく、

実際に使用して気づくことが多いと聞き、

消費者として

「こんなにも安心できることはないなぁ」

と嬉しくなりました。


作り手のエゴによって生まれる製品だと

買い手が満足できず、長く続かないので

『ke shi ki』の作品は使ってみたいなと

思いました。


今年の10月で

『ke shi ki』は5周年を迎えます。


スタートさせてから5年は

あっという間だったかもしれませんが

振り返ってみて思うことや

これからの目標などを伺ってみました。



「等身大のブランドとして一歩ずつ進めたらと思っています。

 今後は「景色に溶け込む」を軸に、

 バッグだけでなくステーショナリーやインテリア雑貨にも

 取り組んでいきたいです。

 また、ke shi kiを通して、個人的なテーマでもある、

 量産とクラフトの間のものづくりを模索できればと思います。」



謙虚な姿勢の中に

モノづくりに対する信念を

感じられます。


新しいことへの挑戦と

ひとりのデザイナーとしての研究。

ここにも『ke shi ki』の魅力があります。


そして、

丁寧なモノづくりの背景には

どんな人生だったのだろう?!

そんな疑問が湧いてきたので、

『ke shi ki』さらには細川さんの

バックボーンを伺ってみました。



「子供のときから工作や手芸が好きで、

 今も試作品を作っているときはほぼ童心に帰っています。

 大学では建築とデザインを学ぶ学科に所属し、

 デザインの考え方の基盤が作られました。

 卒業後はインテリア会社での企画デザインを通して、

 レザーバッグに加え、ものづくりの面白さや難しさなど、

 深めていきたいテーマに出会えたことが

 ke shi kiの原動力に繋がっていると思います。」



「そうだったんですねー!」

と、つい声を出してしまったのは

建築を学ばれていたというところでした。


『ke shi ki』のデザインには

シャープな印象があったので、

建築的要素が含まれていたのだと

納得しました。


幾何学的なカタチを革で表現すること。


それが『ke shi ki』には感じられます。





モノづくりについていろいろと伺えたので、

「売ること」についても聞いてみました。



「作ること・売ることはいずれも1人では成立せず、

 関わってくださる方々に大変感謝しております。

 どちらも同じくらいの大変さがあり、

 そしてクリエイティブなことだと感じます。」



なんとも嬉しい言葉をいただきました。

『作ること=クリエイティブ』は

容易に分かるのですが、

『売ること=クリエイティブ』という発想は

さすがと唸ってしまいました。


そう言って頂けると

俄然販売にも力が入ります!!!



最後にFREEPARKでお買い物をしてくださる

お客様へ向けてメッセージをいただきました。



「シンプルな佇まいとその内側の機能面を、

 ぜひ店頭・オンラインにてご覧いただければと思います。

 日々の生活に取り入れていただけるアイテムを中心に

 展開しております。

 このような時世ですが、商品を通して少しでも気持ちが

 明るくなっていただけたら嬉しいです。

 ご不明点や、使っていただくなかで何かございましたら、

 お気軽にご相談いただけたらと思います。」



お客様に寄り添ってくださる、

その優しさがにじみ出ているのが

ke shi kiの細川さんです。


まだまだ小さなブランドかもしれません。

でも知れば知るほど

しっかりとした熱量があり、

それを続けていこうとする

核を見ることができました。


是非この機会に『ke shi ki』を

覚えていただけると幸いです。




※ポップアップ期間は2021年9月17日~10月3日