FREEPARK

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2022/08/26 17:00

好きこそものの上手なれ


それは

木工作家である新見和也氏に
お話をうかがっているときに
頭に流れてきた言葉でした。

FREEPARKに
新しく届いたフラワーベースは
木工作家の新見さんが
ひとつひとつ丁寧な手仕事によって
作り上げられた花器です。


繊細に削り出されてたフォルムは

とても美しく、木目の奥行を
存分に感じさせてくれる仕上がりに
なっております。


ガラスの中に

そっと閉じ込められた
ドライフラワーは
一瞬の美しさを永遠に
見ていられるような
錯覚を覚えさせてくれます。


こんなに素敵な作品を作る方が

どんな方なのか、
早速お話を伺いました。

新見さんは
2013年に武蔵野美術大学の
工芸工業デザイン学科木工専攻を
卒業されております。


卒業後は内装の仕事をしたり、

都内のものづくり工房のスタッフを経て、
現在は、
木工職人のアシスタントをされています。


場所は山梨県と神奈川県の県境。

環境の変化にもなれ
時間の余裕をつくれるようになったことから、
2019年より休みの時間を利用して
作家活動を始めるようになりました。


制作アトリエとしては

職場の機械やスペースなどを
使わせてもらっているそうです。
自分で揃えるには高価な大型機械を使えたり
仕事を通して経験も得られることは
新見さんにとっては
恵まれた環境だったのです。


好きな仕事をして、

好きな作品を作れるなんて、
たまたまかもしれませんが
新見さんは幸運の持ち主なのかも
しれません。


そこで

「木工が好きなのですか?」
と、当たり前のことを
尋ねてみました。
すると1枚上手な返事がありました。


「絶対に木工じゃなきゃいけない

 って訳でもないんです」


そうほくそ笑むように答えてくれました。


大学時代に陶芸サークルに入っていたので、

モノづくりの方法としては
木工でも陶芸でもどちらでも選べたそうです。


しかし、

当時の彼は陶芸家には
同じカタチの物をいくつも作るスキルが
必要だと思い込んでいて、
それがそれほど得意でも好きでも
ありませんでした。


また、

陶芸をやっている作家は多く、
木工技術の方が汎用性があると
打算的に考えたところもあったそうです。


「木工が好きだからというよりは

 木工の方が素材や経験的に
 自由に作りたいものを
 作れるからやっている」


そう答えてくれた新見さんは

控えめな印象でした。


しかし、

それだけではありませんでした。

作品へのこだわりについて伺うと、
職人の核と言えるものが見えてきました。


「こだわりですか、、、」


少し考えたあとに

強く芯のある声で答えてくれました。


「仕上がったときのアウトラインが

 綺麗につながるように気をつけています
 技術的なところにもこだわっています
 例えば、
 エッジの効いたカタチだったり
 細く絞った繊細なカタチだったり。
 他の人が真似しにくい技術力を
 求めています」


話し方は柔らかく落ち着いているのですが、

その言葉の奥には強い人間の持つ職人の魂が
見えました。


作品には

大量生産が出来ない魅力や
新見和也という作家にしか
作れないという希少性があります。


同じモノを作らないということは

ひとつひとつの鮮度を失わない
ということでもあります。


ひとつひとつの作品には

新しい息が吹き込まれています。
唯一無二な作品であるということが
こだわりを知ることで
より深く伝わってきました。

さらに
ドライフラワーの花器が生まれるまでの
お話もうかがわせていただきました。


FREEPARKに納品されたフラワーベースは

1輪のドライフラワーを
木の台座の上部にある小さな穴に差し、
そっとガラス管を被せることで
持ち主だけの花器が完成します。


ではなぜ生花ではなく

ドライフラワーなのでしょうか?


「生花を入れる場合は

 水が必要になるので試験管などを
 木の中に設置する必要がありました
 しかし、やってみると全体が太く
 なってしまい理想のカタチからは
 離れていってしまいました


 そこで、より求めるカタチのために

 生花を入れる用途は排除して
 細く絞って抑揚のある
 今のカタチが出来ました。


 けれど、用途のないオブジェにまで
 してしまうとニーズがあるかな、と
 不安になったりして(笑)
 ドライフラワーベースに落ち着きました」


新見さんの人間らしさと

造作へのこだわりが感じられました。


作りたいカタチと

商品として使えるカタチ。
その微妙な狭間で考え抜かれたのが
ドライフラワーベースだったのです。

カタチのインスピレーションは
古代建築やモールディング。
歴史ある伝統的な意匠に
普遍的な造形美を感じたり、
身近な日本ではない西洋的なモノへの
憧れもあるのだそうです。


スケールの大きなものから

スケールの小さなものへ
落とし込まれたデザインです。


「80%が商品で20%が作品」


商品として最高のクオリティであり、

二つとして同じものはないという
作品としての存在を重視し、
作られています。


天然の木材を旋盤技術によって

成型しているため、
年輪や木目が千差万別に見えるのです。


台座の丸くなっていることろが

『目』にみえたり、
オークやナラの
年輪とそれに交差する放射状の組織(虎斑)が
組み合わさった複雑な模様。
作品のひとつひとつから
新しい発見があるのが魅力です。


「でも結局はお客様がどう思うかが

 大切だと考えているので
 使いたいように
 好きなように捉えてもらえたらいい」


そう言う新見さんを見ると、

やっぱり作ることが好きなんだなぁと
笑顔になってしまいました。


美しいフォルムの追求や

技術の極みを目指す新見さんですが、
意外や意外、
作家業を生業にすることは
全く意識していなかったと言います。


作ることは好きだし、

作品は作り続けたいと思っていたそうですが、
作れる環境で生活ができていたので
あまり先のことは考えずに
今まで生きてきたそうです。

しかし、
転機は訪れます!
2023年からは
新見和也というひとりの作家として
とうとう独立します。


作家業が成り立つのかどうか

そこには不安もあるそうですが、
自分で積み上げてきた足掛かりをもとに
来年は挑戦する年になりそうです。


新たなスタートを前に

今後について伺いました。


「独立しても今までと変わらず

 自分自身が納得できる作品を作りたいです
 また、5年後とか10年後に見返したときに
 愛着の持てる作品を作っていきたいです


 自分は昔からモノ作りしか得意なことが

 なかったので、これからも作り続けます
 自分にできることが作ることなんです


 自分のために制作することが
 社会とのかかわりになっています
 木材の面白さや驚きなどの価値を
 社会に提供していきたいと思っています」


作ることが好きな気持ちが

しっかりと伝わってきました。


『モノづくり=社会とのかかわり』

と信念を持って話してくれる声に
新見さんの個性が見えました。


最後に新見さんの魅力に惹かれる人へ

メッセージを頂きました。


「木材を削ると木目が

 いろんなカタチになるんです
 目玉みたいになったり、曲線が見えてきたり、
 お箸のように意外と細くても強度があったり。
 カタチによる素材の変化や面白さを
 知ってほしいです


 でもやっぱり、
 基本的には好きに見て欲しいです
 作品を好きだなと思ってくれた人に委ねます」


新見さんは

ゆっくりと優しい口調で話してくださったので
本当に作ることが好きな人なんだと
しっかりと伝わってきました。


今までに見たことのない

美しい花器なので、
ぜひ一度ご覧下さいませ。



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