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2023/07/14 17:00

繊細な手仕事が光る
木工作家の新見和也さんから
新しい作品が届きました。
なんと、1年ぶりに!


待望も待望の作品なので、
手に取った瞬間に
笑みがこぼれてしまいました。


昨年のフラワーベースと比べると
同じようにも見えるし、
違っているようにも見え、
その奥行きの深さを
知りたくなりました。


特に気になったのは
仕上げに漆を使用したタイプ。
早速お話を伺ってみました!


昨年のインタビューと合わせて
お読みいただけると幸いです。




まずは今回のラインナップについて
こだわりを伺ってみました。


「以前、凹凸の疎密で疎の部分を
 広めに設けたほうが木の質感(木目)が
 感じられるかもと作ってみたけれど、
 この作品には間延びして見えるなと
 思ったこともありました。
 都度、微妙なマイナーチェンジを繰り返して
 バランスをみて作っています」


なるほど。
小さな進化を繰り返しているからこそ、
同じようであって新鮮な作品になるのですね。




漆の作品は初めて見たのですが、
なぜ作ろうと思ったのかや
カラーを黒にした理由などをお聞かせください。


「蒔地の質感で作ってみたかったからです。
(蒔地=漆を塗り乾かないうちに地の粉等を
 蒔いて付着させる下地技法の一種)
 漆でなくても出来ますが、
 塗膜の堅牢性耐久性接着性など優れている
(歴史的にも証明されている)伝統的な手法として
 漆を使用しました。
 漆の性質と用意の手間を考えると
 限られた色からの選択になり、その中で
 彩度・明度の低い色が似合うだろうとなり、
 黒になっています。」 


やってみたいという好奇心から
作品の表情が広がっていくところが
とても魅力的です。


漆の性質には信頼性があり、
蒔地という手法により
マットな独特の質感を表現することで
新しいフラワーベースが生まれたんですね。
傷が付きにくいという利点もいいですね!


漆の扱いはいつ頃からなのですか?


「大学の授業でも漆の実習があり、
 そこから時どき漆を使っています。
 幸い漆にかぶれやすい体質ではないのですが、
 体への付着に気をつけたり、
 道具の準備片付けなどはやはり手間におもいます。
 また、漆を使用することでコストがかかり
 価格に転化されるので、付加価値として
 効果的に機能しているのか注意していきたいです。」


漆の良さだけではなく、
マイナスな部分も考慮しているのは
さすがだと思います。




作りたいだけではなく
木工作品としてお客様の手に届き、
長く愛用していただくために
より技術を磨き、
表現の幅を広げていくところに
新見さんの職人気質が伺えます。


ほんの些細な進化を
常に続けていくところに
新見さんの奥深さがあり、
フラワーベースのある暮らしに
奥行きが生まれるのだと思います。




4月に千葉県に
お引越しされたそうなので、
これからの活躍が
ますます楽しみになります。


新見さんのインスタでも
素敵な作品をご覧にいただけますので、
是非ごらんくださいませ。



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