2024/12/06 17:00
ひとそれぞれの時間
濃淡のある流れの中
踏みしめた跡がある
いいことも
苦虫をかんだことも
まとめてみたら
思い出になっている
ひとつ終わり
ひとつ始まる
そんな節目の12月に
FREEPARKでは
アーティスチックな
作品ばかりのブランド
『(wie)neu』のポップアップを
開催します
期間:12月7日(土)~29日(日)
※準備が整い次第オンライン販売します
(wie)neuは
(ヴィー)ノイと読みます
全く想像と違う読み方なのは
ドイツ語由来の造語のため
ブランド名も一癖あるなら
アーティストの金子良さんも
土の中から宝ものを探しだすような
奥深い魅力のある人です
たっぷりとインタビューを
させていただきましたので
ぜひゆっくりとお読みくださいませ
(wie)neuの金子良さんは
陶芸によって作品を制作しており
素晴らしくオシャレなご自宅から
その作家活動を配信されています
インタビューのため伺うと
「これはなに?」と聞きたくなる
作品がずらりと並んでいました
壁に飾られた絵画や
オリジナルの照明作品など
美術館のような豊かな感覚を
味わうことができました
写真から作品のテイストが
少し伝わったところで
金子良さんについて紹介させていただきます
経歴から既に伺いたいことが
いくつもありますので
ひとつひとつインタビューさせていただきました
まずは子供の頃のお話をうかがいました
■ 金子さん:
幼少期は田舎のごく普通の学校に
通っていたので、図画工作の授業ぐらいしか
モノづくりみたいなことはしていませんでした
他の家庭と違ったことがあるとしたら
父がセスナ機の修理をする仕事をしていたので、
家の駐車場には工具がいっぱいあったり、
車の代わりにセスナ機の胴体がとめてあったり、
ちょっと変わった環境ではあったかな、
と今は思います
セスナ?!
戦闘機のイメージがあるのですが
自衛隊関係とかでしょうか?
■ 金子さん:
いえいえ
民間で所有している方がいらして
車検のような点検や修理を父が
やっていました
なるほど
確かに普通の家庭とは
ちょっと違った環境で育ったのですね
モノづくりに興味を持ったのは
いつ頃からだったのでしょうか?
■ 金子さん:
何か作ることに興味をもったのは高校生ごろ
田舎育ちの反発でオシャレに目覚め、
洋服の仕事がしたい夢があったので
18歳のときにフランスへ留学し、
帰国後は文化服装学院で洋服の勉強をしました
そのときにモノがだんだん形になっていく楽しさを
知ってしまったんだと思います
それからはzineを作ったり、
DIYで家具を作ってみたり、
映像を撮ってみたり、
陶芸と出会うまで色々なツールを使って
何かを作り続けています
なんだかすごく濃密ですね!
まず、フランスへの留学と聞くと
すごくオシャレに思いますが
実際はどうだったのでしょうか?
■ 金子さん:
当時は円高だったので
とても暮らしやすかったですw
しかしパリでの生活をするうちに
東京の方がファッションに敏感だったり
先端を行っているように感じました
そうだったのですね
確かにファッションウィークのときは
華やかできれいなイメージですが
私がパリに旅行に行ったときは
道端にたくさんゴミがあったり
あまりきれいな印象はなかったですw
文化服装を卒業し
様々な創作をしていく中で
陶芸をやってみようと思ったのには
何か理由があったのですか?
■ 金子さん:
実は(wie)neuの前身は
アンティークショップだったんです
細々とオンラインで販売していたのですが、
コロナ禍で買い付けに行けなくなってしまい、
どうしようかな〜と考えてたときに
思いついたのが陶芸でした
陶芸なら自分が欲しい商品が直ぐに作れるし、
買付に依存しないで長く続けられると思ったのが、
陶芸を始めたきっかけです
そうだったんですね!
ちなみに「(wie)neu」とは
どういう意味なのでしょうか?
■ 金子さん:
ドイツ人の友達に相談して決めたのですが
wieが「〜みたいな」
neuが「新しい」
という意味です
繋げて「新品同様」という意味にもなります
アンティークショップ用につけた名前でしたが、
今の陶芸にも通ずるところがあるので、
同じブランド名で活動しています
アンティークショップのときの
商品はどのように仕入れていたんですか?
■ 金子さん:
実は毎年旅行には行っていて
そのときに蚤の市とかが好きで
よく買っていたのです
それを知っていた友達が
「買い付けを仕事にしたら
旅行しながら仕事できるよ」
と言ってくれて
それではじめたんです
でもコロナになってしまって、、、
あのときは
本当に海外どころか国内旅行も
できませんでしたもんね
陶芸をはじめられたことに納得です
美山陶房ではどのくらい修行
されたのでしょうか?
■ 金子さん:
3年です
美山陶房は新宿にあるのですが
学生時代に体験に行ったことがありました
自分が作りたいモノの作らせてくれる
とてもいい先生でした
いい環境で技術を学べたことが
金子さんの作品につながっているのですね
納品いただいた作品も
目の前にある作品も
どれも個性的な作品が多いと感じます
きれいな器というよりも
手で作った跡を感じるより
アート作品のような
作品を作るときの発想の原点や
どんなことを思い考えながら
作品を制作しているのでしょうか?
■ 金子さん:
おっしゃる通り
「なるべく手で作った痕跡を消さない
=きれいにしすぎない」
ようにしています
きれいな器は上手く作れるひとが他にいるから、
自分しか作れないものはなんだろうと考えた結果、
今のようなスタイルになってきました
でも、繊細で美しいものが作れる
職人気質な人には尊敬があり、
心の奥底ではそれを目指せないことに
対してのジレンマみたいなものはあります
矛盾してるんです(笑)
なんかわかる気がしますw
繊細で美しい器に良さも分かるし
作れる人になれたらいいけど、
でも手跡が残るごつごつした感じも
作りたい自分がいるから、みたいなw
自分に素直なのが素敵です
■ 金子さん:
作品をつくるときの原点は、
ほとんどひらめきでアイデアを降りてくるんです
部屋にいるとき突然
「あ、ランプを陶器でつくれないかな」とか、
ダイソーで日用品を買ってるときに
「あ、このスプレーボトルに
釉薬いれて吹き付けたらどうなるかな」
とか、アイデアだけは尽きないんです
その発想力こそが
金子さんのアーティストなとこですね
今までに経験したことや
見たモノ感じたことが
あるときビビットくるから
作品が誕生し続けてているんですね
実は(wie)neuのサイトで拝見したのですが、
コンセプトがないって本当ですか?
■ 金子さん:
一番痛いところつかれました(笑)
「コンセプトがない」というのは
半分本当で半分は嘘です
私、アートを通して
コンセプトを語るのが苦手なんです
自分が語っているのを想像するだけで
気恥ずかしくなってしまうし、
他の人の作品の解説を読んでいても
「そのコンセプト、本当かな〜」と
斜に構えてみてしまい
純粋に作品を楽しめなくなってしまいます
なので本当のところはコンセプトはあるけど、
ないと言いたい!が本音です
ちょっと恥ずかしがり屋なところと
自分の表現したいものがある強さが
金子さんらしいです
■ 金子さん:
コンセプトとは言いにくいので、
その代わりに自分の中でのテーマはあります
去年から、民藝xポップ感をテーマに
作品を作るようになりました
「民藝らしさが見え隠れするけど、
ポップで新しい気がする!」
かどうかを自分に問いかけ、
作品づくり迷ったときの判断材料にしています
インスタでの作品の見せ方は
本当に尊敬します
ご自身のお部屋の様子や
作家としてのセンスや魅力が詰まっていて
作品のアイディアと制作することと
生活することがつながっているように見えます
なにか狙いがあるのでしょうか?
■ 金子さん:
インスタで部屋をメインに
投稿しているのは理由がありまして......
もともと陶芸だけを載せようと思ったのですが、
ネタが持たないことに気づいたんです
他の陶芸作家さんのアカウントを見ていても、
投稿頻度がまばらで作品ができたときや
イベントがあるときが投稿のメインなんですよね
自分は経歴も浅かったし、
他の作家さんみたいに投稿できる作品も少なかったので、
それなら暮らし(インテリア)を
主軸にしようと思ったんです
陶芸に関心がなくてもインテリアなら
興味をもってくれるかなと
なので暮らしていて、欲しいなと思うものを
陶芸で作ることもあります
DIYで家具を作るみたいなと同じ感覚に
近いのかもしれません
なるほどー!
だから「自分のことを陶芸作家だと
思ってないフォロワーさんもいる」
とおっしゃっていたんですね!
でも作品と暮らすイメージができるので
今のスタイルは続けて欲しいです
今回納品いただいた作品について
少しご説明をお願いします
【Object "Incense"】
今回のポップアップで一番最初にとりかかった作品がお香立てでした。私のオブジェ作品をお香立てにしたら面白いかも!というFREEPARK保田さんのアイデアから始まりました。お香を炊いていないときでも、オブジェとして楽しめる、お香立てらしくない様子...を目指しました。
釉薬も朝鮮唐津という古典的な釉薬の組み合わせ(作品下部の白と茶色のグラデーション部分)に、海外の発色のよい絵の具をあわせ挑戦的なものとなっています。
【Vase "Apartment"】
狭い敷地に無理やり建てられたアパートが隣接して、まるでカップルのように見える!というロマンチックな想いで作りました。凸凹が対になっていたり、釉薬の境目をリンクさせたり、しなかったり...
【Bricks】
陶芸の土は20kg単位でブロックになって届くので、そこから切り分けて作品を作るのですが、ある日、その無造作に切り分けた形がすごく可愛く思えたんです。そのまんまの形でなにか作れないかな、と思ってできたのがBricksです。実際にBrick=レンガのような形に切り分け、形を崩さないよう中身だけ掘って作っています。
ボリュームのある作品を見ると
やっぱり欲しくなりますね
これからの目標とかあれば
お聞かせください
■ 金子さん:
もう少し積極的に展示やポップアップを
来年はできたらと考えています
他にも作りたい作品がいっぱいあるので、
形にしていきたいです
すごくたのしみです!
次はどんな作品になるのか
わくわくしながら待っていますね
最後にFREEPARKにいらしてくださるお客様に
メッセージをお願いします
■ 金子さん:
何これ、陶芸なの?
みたいなものばかりですが、
ビビビっとくるものがひとつでもあったら嬉しいです
皆さんとお会いできること楽しみにしております
ポップアップ期間中に
在店くださりありがとうございます
直接お会いできると
お客様も喜んでいただけます
今日は長い時間
本当にありがとうございました
新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。