OCTOBER & MARCH POPUP
2025/04/11 21:26
花びらがはらはら
新緑がちらほら
新しい芽が光に反射する
新しいことが
はじまるときは
ドキドキして
心が落ち着かない
カチっと決めなくてもいい
自然なままで受け止める
そんなゆとりがあるといい
4月は新生活の季節
FREEPARKでは
偶然や思いがけないところから
作品が生まれるブランド
『OCTOBER&MARCH』の
ポップアップを開催します
期間:4月19日~5月6日
※オンラインストアでの販売は
準備が整い次第スタートします
どんなふうに作られているのか
プロダクトにも見えるけど
手仕事が詰まった作品ばかり
FREEPARKのオファーから
誕生した作品も並びます
『OCTOBER&MARCH』の島 奈津さんに
たくさんお話を伺いましたので
ぜひゆっくりとお読みください
『OCTOBER&MARCH』を始める前は
どのような活動をされていたのですか?
■ 島さん:
製靴の専門学校で靴作りを学んだ後、
服飾雑貨の企画会社でレディースシューズの
デザインをしていました
靴の仕事と並行してバッグなどの革製品を作って
作家さんと一緒にイベントを開催するなどの
活動もしていました
モノづくりに携わるお仕事を
されていたんですね
『OCTOBER&MARCH』は
いつ頃からはじめたのですか?
ブランド名の由来もうかがいたいです
■ 島さん:
2018 年頃からこの名前を付けて
活動を始めました
「OCTOBER」と「MARCH」は
子どもたちの誕生月です
下の子の妊娠中に
久々に触ったかぎ針がきっかけで
子育てと共に始まった、
というのがこの名前の由来です
素敵な物語がはじまりそうな
そんなブランド名ですね
母親としても働く親としても
お子様たちと共にはじまり
親子で道を進んでいくところが
ほんわか温かい気持ちになります
ブランドとしてはどんなふうに
活動をされているんですか
■ 島さん:
主にかぎ針編みで
花器・オブジェ・バッグ・アクセサリー
靴‥など表現の形は拘らず製作しています
製作においてはニッターさんにも
協力してもらいながら活動しています
『OCTOBER&MARCH』を語る上で
「かぎ針編み」は欠かせませんね!
かぎ針編みとの出会いをお聞かせください
■ 島さん:
かぎ針編みは小学生の時に入っていた
学校の手芸クラブで習いました
当時手の中でどんどん出来上がっていく感覚が
おもしろくてドアノブカバーを何個も編んでいました
小学生の島さんが
ドアノブを何個も作っているのを
想像すると微笑ましいですね
その時の熱量が伝わってくる気がします
ブランドにつながるきっかけは
あったのでしょうか?
■ 島さん:
小学生以来、一切編み物には
触れていなかったのですが、
ベビーシューズを編もうと思ったときに
編めるのを思い出して、
また魔法のように手の中で出来上がっていく興奮も
一緒に思い出していました
それで靴を編んでみたいなと思い、
履物として機能させるために
ポリエステルコードに辿り着くのですが、
通常編み物には使われない素材なので
毛糸などとは違った表情や機能が
現れてくるのに気付きました
そこから表現が靴以外にも
広がっていくことになりました
かぎ針編みが
体に染みついていたんですね!
私は大人になってから
やりたいと思ったことがあったのですが
なかなか踏み切れなかったので
島さんが子供の頃に抱いた好奇心や
身に着いた技術が復活したんだと思います
そして、
今までに学んだ靴の技術や
モノづくりの経験がつながり
かぎ針編みで作る作品のベースが
できたったんですね
実際にはどのような流れで
作品が生まれてくるのでしょうか?
■ 島さん:
始めたキッカケこそ
靴を編むという目的があったのですが、
今はゴールは決めず
まず手を動かすところから始めます
編み図はありません
同じコードでもテンションや
編み方を変えるだけで
全く別のものが出来上がるので、
編みながら機能や見え方を
探って形にしていくという流れです
形に成り損ねたものもたくさん転がっていますが、
作品や製品になったものは
そういう無意図な創作の中で生まれた
副産物のようなものだと捉えています
そうなのですね
たくさん転がった未完成作品たちが
宝物のように感じてしまいます
手を動かし
カタチをつくり
試行錯誤を繰り返して
偶然なのか必然なのか
あるとき生まれてくる作品
そう思うともっとじっくり
作品を愛でてしまいます
作品をみていると
不完全な美しさを感じたり、
抽象画を見ているような
感覚にもなるのですが
作品をつくるときに大切にしていることや
コンセプトをお聞かせくださいませ
■ 島さん:
編み目というのは前後の輪っかの相互関係と
連続性によって成り立っていて、
似たような構造の織物と比べると
すき間が多く脆さがあります
決して強固ではないけれど柔らかくあることで
衝撃にも対応でき安定するという構造です
私はこの編み物の柔らかな仕組みに惹かれています
人間自体ゆらぎがあって不完全な生き物なので、
無意識にその柔らかな仕組みを受け取って
惹かれているんじゃないかと想像します
特別なコンセプトや文脈は無いのですが、
作る上でいつも「調和」と「リズム」というのが
念頭にある気がします
すごく意識しているというよりクセのようなもので、
1つの要素に対して反対の要素を持ってきて
バランスを取ろうとしたり、
編み目と色、形と色など色の構成に関しては
1点においてもシリーズ全体においても
心地よいリズムになるようにしています
『OCTOBER&MARCH』の作品の良さが
深く理解できるように思います
島さんの大切にしていることが
血液のように作品に流れているように
そして、ブランドとしての個性や
唯一無二な存在感があるんだと思います
今までに影響を受けたアーティストは
いらしたのでしょうか?
■ 島さん:
ものを作っていく上でのスタンスとして
一番影響を受けたのは、ブルーノ・ムナーリです
構造や心理においても専門的な知識が
ベースにあるのは理解しているのですが、
彼の作品にはそれだけでは構成されていない
開放的な魅力や自由を感じます
固定的な概念では捉えきれない新しい表現を
すごく軽やかに提案しているところに惹かれます
モビールや「旅行のための彫刻」など
物理的にも軽やかな作品が多いのも
もの作りの精神性が現れているようで好きです
なるほど!
発想の転換というか
モノの捉え方の個性が
島さんにも感じられるので
ブルーノ・ムナーリに
つながっていたんですね
今回のポップアップのために
たくさんの作品をご制作いただき
ありがとうございました
TANGLEシリーズや
オーダーさせていただいた
タペストリーについて
こだわったポイントや
込められた想いなどをお教えくださいませ
■ 島さん:
今回のメインとなるTANGLEシリーズは
4本取りのコードをくさり状に編んで
1本のコードに仕立てているときに
偶然生まれました
コードの特性上どうしてもねじれが生じ
絡まってしまい、最初は直していたのですが
絡まりごと編んでみることにしました
その絡まりコードを使って編みたてると
編み目から紐がランダムにはみ出していて、
絵具をぐちゃぐちゃに混ぜたような
無秩序さが出ます
絡まりという無秩序を編み目という秩序に
組み込むことで調和しています
帯状に編み、巻くことで重くなり安定感があるため、
糸くずのブロックのようなイメージで
花器に仕立てました
ご提案いただいたタペストリーは
タイトに編んで固く仕上げているので、
引っ掛けるだけではなくパネルのように
壁に立てかけることもできます
どちらもインテリアとして
一癖も二癖もアクセントになる
魅力的な作品だと思います
他の作品についても
ぜひご説明いただけると
ありがたいです
FRAME
金属をくるむようにコードを編みつけることで
冷たい質感は消え、ゆるぎない線と色を
引き立たせているフレームです
1点ずつ配色パターンを変えており、
作品やお部屋に心地よいリズムを生み出します
size:A6・A5・A4
PHONE HOLDER
1mm 幅のコードをタイトに編みたてた、
軽くて頑丈なホルダーです
これからの季節にお洋服と
合わせたくなるような色を選びました
今回のポップアップでは
『OCTOBER&MARCH』の世界観を
感じていただけるラインナップなので
お客様にもたくさん見ていただきたいですね!
今後の展開があれば
お聞かせくださいませ
■ 島さん:
最近作れていない靴を再開することと、
今回ご提案いただいたタペストリーのように、
お話しながら生まれる新しい発想との出会いを
楽しんでいきたいと思っています
これからの作品展開も
楽しみにしています
最後にFREEPARKのお客様へ
メッセージをお願いします
■ 島さん:
作品を見て惹かれるものがあれば、
ご自身や空間との調和を想像して
楽しんでいただきたいです
ありがとうございました
新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。